透明水彩



ごめんね、理人、藍香。
ごめんね、叔父さん、莱。
ごめんね、湊、ケイ。
そしてごめんね、芽梨ちゃん。

覚悟は、できてる。
だってこれでようやく、全てが終わるんだ。最初からこうしてれば、きっと誰も、傷つかなくて済んだのにね。

本当に、ごめん。
わがままで自分本意で、本当に――…。


「望み通り、ここで殺ってあげるわ。
…――さようなら、7年前の高瀬美凪。」


死ぬ。

そう思った、瞬間だった。

バリン……ッ!という、ガラスが割れるような凄まじい音がアジト内に響く。
何事かと思ったのはあたしだけじゃなく、敵の2人も同じだったらしい。

一瞬止まった、芹奈さんの動き。
でもそれだけあれば、彼がアジト内に飛び込んで来るには十分な時間だった。


「美凪……っ!」

「……うっ、」


爆ぜた、音。
目の前の銃が弾き飛ばされるのと、芹奈さんが呻くのはほぼ同時。

あたしを呼ぶ聞き慣れた声と、怒ったようにも悲しそうにも見えるその表情を見て、不覚にも泣きそうになった。


「理人……、」


でも何で、ここに居るの……?