震える、手…。
訳もわからないまま、涙だけが零れ出る。
「……芽……んが、ス……の?」
「何?」
「芽梨ちゃんが、スパイだったの?」
確信は、あった。
あったけれどもわざわざそう尋ねたのは、僅かな可能性を信じていたから。
あれだけ一途にひたむきに、莱へと愛情を注ぐ芽梨ちゃんが、敵の一味だったなんて思いたくなかったから。
けれどそんなあたしの思いは虚しく、芹奈さんは馬鹿にしたように嘲笑った。
「そうよ。今さら気づいたの?鈍いのね。
芽梨は私の親愛なる後輩。……ほら、アナタがたぶらかした莱って子、昔からアナタに気があったみたいでね。芽梨が自分に振り向いてくれないって悲しんでたから、お互いに協力し合うことにしたの。」
アナタが邪魔っていうのは、共通の思いだったからね。
そう言い足された刹那、強力なローキックがあたしの足へと叩き込まれた。


