あたしの安全がその世界とやらで保証されているからなのか、心なしか穏やかな表情を浮かべる叔父さん。

その様子とは裏腹に、質問すればするほど深くなっていく困惑に、あたしは眉根を寄せる。

何しろ、いきなりこんなことを突き付けられても、ただ疑念と不安は膨らむばかりだ。

それに、一端の教師であったはずの両親がそんな研究に携わり、精力を尽くしていただなんて、それこそ初めて知った事実。

もっとも、両親共に学生時代から物理学を主に専攻していたことは言うまでもないし、その当時使っていた研究室に連れて行ってもらったことも幾度となくあるけれど。

だけどそんなことより、今現在そんな大層な装置が完成しているということは、2人は随分前からこの研究に着手していたということ……

さっき叔父さんが言っていた通り、両親は全てを見越していたのだと改めて感じ、胸が締め付けられた。

と同時に、今まで何も知らずのうのうと生きてきた自分自身が、あまりにも滑稽に思えて悲しかった。