あか、赤、朱、紅、アカ……
両親の変わり果てた姿が、鮮明に蘇る。
真っ赤な手が、震える。
何なんだろう、これは。
夢? 現実?
何であたしと莱は、こんなことになってるの?
莱はこのまま死んじゃうの?
あたしのせいで?
そんな考えばかりがあたしを支配し、どうすればいいかわからなくなった。
刹那、再び響く音。あたしの背後でまた、地面が爆ぜて泥が舞った。
「っ、俺は大丈夫、です、美凪サン…、だからそんな顔、しないで。」
あたしが今、どんな顔をしているのかはわからない。でも必死に笑顔を貼付けて、あたしの顔を覗き込んできた莱の顔は時折、苦痛に歪んだ。
そしてあたしを抱え込むように再び地面に伏せ、行き交う弾を避ける。
「ら、い……。」
「大丈夫、です。」
そう、あたしを安心させるかのように莱は言うけれど。
実際問題、大丈夫なわけなんてなかった。
確かに莱の声も体も震えているし、さっきの傷口からはまだ出血が止まってはいなかったのだから。


