透明水彩


この前、市街地に行ったときとは全く別の道を進む。
この方面も、7年前とは打って変わった姿になっており、何だか悲しくなった。


「……美凪サン?」


そんなとき、沈黙を破るように発された莱の声。俯きかけていた視線を上げて、続きに耳を傾ける。


「あの、ちょっと思ったりしたんですけどー、」

「何?」

「この時代の美凪サンも然り、今の美凪サンも理人サンと仲良いですよねー。この前も2人で話し込んでたみたいですしー。」


そして紡がれた問いに、思わず顔が綻んだ。だってそれは、あまりにも今の状況に合わない問いで。しかも莱が真剣にそれを考えているようにも見え、途端におかしくなったから。


「あはは。まぁ、あたし達は幼なじみだからね。
……でも、何いきなり。もしかして理人に嫉妬?」


だからそうからかえば、ピタリと莱の足は止まる。
何事かとあたしも立ち止まれば、刹那、いかにも馬鹿にしたような表情を浮かべた莱が、勢い良く振り向いた。