透明水彩


「……そのあとは、ある程度予想はつくだろ。ただでさえ壊滅状態だった本部は一夜で機能しなくなって、生き残っていたのは今のメンバーを含めた数人だけ。」


話を聞く限り、余程大きかったのであろう本部が一夜で……。
あたしが想像する以上に凄まじくて、悲惨な戦いを思うと、言葉が詰まる。

…――けれど、


「そんな状態を、君がただ見ていられる訳がなかったんだ。そんなこと、俺もみんなもわかってたはずなのに。」


まるで独り言のように紡がれた言葉に、一瞬思考が停止した。だからそのまま、続く言葉に耳を傾ける。


「狙われているのは君とリング。そしてその君とリングは、互いにリンクしてる。
……そこまで言えば、この時代の美凪が何を考えたかくらい、今の美凪にもわかるだろ?」


…――わかるよ、わかる。
今のあたしも、7年後のあたしも、考えることはきっと同じ。

あたしはきっと自分より、抗争を終わらせることを選んだに違いない。理人の表情が、そう物語っているようにも見えた。