あたしにとっての未来と、理人にとっての過去……
「……どういう訳か、その頃は内部機密が向こうに洩れててさ、戦略やら何やら全てがお見通し。それで本部はかつて無いほどの集中攻撃を受けて、ほぼ壊滅状態に陥った。」
そこまで言い切ると、理人は自嘲的な笑みを浮かべた。
でもその瞳は全く笑ってなんかなくて、悲しげに揺れる。
「でも、その……、一時的にCROCEを鎮圧することはできたんだ。だからある程度落ち着いてきた頃、俺達は正式に婚約した。」
「…じゃあ何で、あたしはその次の日に死んだの?」
「CROCEを完全に、鎮圧できてはいなかったからだよ。奴らはただ、好機を待っていたに過ぎなかった……!」
見たことも無いほど鋭くなった理人の表情に、冷たい汗が背筋を伝う。
悔しさと、悲しさと、後悔といったような感情が、今、理人を支配しているかのようだった。


