透明水彩


「莱……。」


あたしと視線がぶつかると、莱は悔しそうに自らの視線を伏せた。
そんなあたし達を気にする訳もなく、横では理人とケイの声が響く。


「佑稀も莱も美凪も、そこまでにしときなよ。バレたからといって、まだ向こうは大きな動きを見せてはいない。」

「ああ。理人の言う通り、だ。だから今後は警戒を続け、臨機応変に行動しろ。」


そしてケイのその言葉を合図に、各々が自室へと戻っていく。
ぱっと振り向いた先にはもう莱は居なくて、何だかやりきれない気持ちになった。


「みーなぎっ!」

「……え?ちょっ!?」


そんな訳のわからない気持ちのまま自室のドアへと手をかけたとき、半強制的に隣の部屋へと連行されて。


「ちょっと、いいかな?」


あたしをソファーへと座らせ、窺うようにそう尋ねてきた藍香に、首を縦に振るしか他なかった。