透明水彩


けれどそこまで考えたとき、理人の言葉を思い出して思考は中断された。

あたしの姿を見られたのは、この前、莱と外出したとき。
あたしのわがままに莱を付き合わせて、外出した日。

ならば別に、莱だけが責められる必要なんかない。あたしの自覚の無さ、それが1番の原因なのだから。


「……いや、さ。莱だけをそんなに責めないで。あたしのわがままで外出した訳だし、莱が悪い訳じゃない。」


そう発言したのと同時に、数人の視線があたしを射抜く。
何か変なことでも言ったかと首を傾げれば、刹那、湊が呆れたように大きく息を吐いた。


「……ちげーよ、ナギ。お前を守ること、それがオレ達の、組織の今の存在意義なんだよ。ちょっとしたヘマさえ、もう許されねーの。」

「でも、だからって、」

「いいんですよ、美凪サン。確かに周囲への警戒を怠った、俺の責任ですしー。」


湊へと言い返そうとしたあたしを遮ったのは、他でもない莱。
いつも通りの無表情が、静かにあたしを捉えた。