「……昔言ったかもしれないけど、俺は無理に干渉はしない。けどいつでも、話ぐらい聞くから。」
だけど黙るあたしに、やっぱり理人は何も聞いてはこない。
昔と同じ、あたしのための間合いで接してくれる理人の気遣いが、優しかった。
「うん、ありがと。」
「じゃあ、そろそろ俺も戻るよ。」
背を向けた理人の姿が、見えなくなるまで見送る。
ふぅ、と小さく息を吐いたあたしの胸に渦巻くのは、やっぱり莱のこと。
…――まさかあたしは本当に、莱のことが好きになったの?
そう何度も何度も自問自答してみても、結局答えは出ないまま。
渦巻く困惑の中、ただ一つハッキリしているのは、例えあたしが莱を好きになっていたとしても、待っているのは必然的な別れであること。
その、確定的な事実だけ。


