◆◆◆
何だ、あたしは遂におかしくなってしまったのか。
莱を見ると、何かがオカシイ。
上手く言えないけれど、何かが変。
…――まぁ正確に言うと、莱と芽梨ちゃんが一緒にいるのを見ると、得体の知れないドロドロとしたもやもや感が、胸いっぱいに広がるような、そんな感じがする。
「……何だよ、そのツラ。ブスが余計にブスになるぜ?」
そんなことを早朝の大広間で考えていたあたしは、不意にかけられた失礼な一言によって我に返った。
見上げれば、ソファーに座るあたしの顔を見つめながら、いつものような意地の悪い笑顔を浮かべる湊があたしを見下ろしている。
まぁ別に、わざわざ確認しなくたって、こんな失礼極まりないことを言うのは、湊ぐらいのものなのだけれど。
「うっさいな、湊!ほっといてよ。」
だからそう言って、座ったまま繰り出したローキック。
綺麗に避けられたのが癪に障って、小さく舌打ちをした。


