透明水彩


「? 美凪サン……?」

「あたしの分の夕食はいらないって、理人か誰かに伝えといてね。」


そしてそれだけを言い残し、2人に背を向ける。


「……わかりましたー。じゃあ美凪サン、おやすみなさい。」


背中にかけられた莱の言葉に小さく手を振った後、そのまま振り返ることなく、あたしはただ歩を進めた。

いつだったかと同じ様に、階段を半ばほど行くまで、芽梨ちゃんの声はあたしを追い掛ける。

高くて女の子らしい声が、耳に響く。

その声により、さらに募るもやもや感に相変わらず胸は痛くて。
自分の気持ちが良くわからないのも相まり、何だか無性にイラッとした。