透明水彩



案の定、それはあたしの予想を裏切ることなく芽梨ちゃんで。
その様子を見た瞬間、あたしの中でまた得体の知れないもやもや感が渦巻き出す。


「莱酷いよ。外行くんなら、あたしも誘ってくれたら良かったのにーっ!」

「別に、芽梨は1人で行けるだろ。……っていうか、いい加減離れて。」

「うっわ、冷たーい。たいちょーに言い付けてやるんだから!」


…――あ、れ。何だろう、この気持ち。
笑顔の芽梨ちゃんを見てると、胸が痛くて、苦しくて。

これ以上目の前の2人を、見てられそうにもなかった。

だからようやく芽梨ちゃんが離れた莱から、持ってもらっていた紙袋を半ば奪うように引ったくる。

そして不思議そうに、芽梨ちゃんからあたしに視線を向ける莱に向け、捲し立てるように言葉を紡いだ。


「……んじゃ、今日はありがと莱。付き合ってもらって申し訳ないんだけど、やっぱりあたし疲れたから、もう部屋に戻ることにする。」


顔面に、引き攣る笑顔を貼付けて。