透明水彩


そして、叔父さんがベッド横にある椅子に座ったのを確認し、あたしはゆっくりと口を開く。


「どうしたの、叔父さん。」

「ん、あぁ。美凪ちゃんに、渡さなきゃいけないものがあってね。持ってきたんだ。」


小首を傾げながら問い掛ければ、答えながら差し出されたのは、案の定、その白い封筒。

受け取った封筒は、見た目よりも思いのほか重量があり、一体何が入っているのかと、訝しげな視線を叔父さんへと向ける。


「……これは?」

「それは君のご両親――秋臣(あきおみ)兄さんと優美(ゆうび)さんから、君へと預かった物だ。」

「…――お父さんと、お母さんから……?」

「ああ。万が一にも自分達に何かあったら君に渡してくれと、そう、頼まれていた。」


お父さんと、お母さんから……

叔父さんの言葉に、一瞬身体の機能が停止してしまったような感覚に陥った。

震え出しそうなのを必死で堪えて、視線を手元の封筒へと落とす。何の変哲も無い封筒の裏には、確かに見覚えのある字で“美凪へ”と、走り書きされていた。