透明水彩



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久しぶりに拝む太陽は、思いの外暖かくて、眩しかった。
果てしなく続く空は快晴、雲一つない水色がどこまでも広がる。


「…まず、どこ行きます?」

「うん、街の方に行きたい。」

「了解ですー。」


そんな空の下、あたしを先導するかのように前を歩く莱に続き、廃材の間を通り抜ける。そして大きな道路へと出てから、ふと、辺りを見渡してみた。

ここは、あたしがアジトに連れて来られたとき、湊に担がれたまま通った場所だ。

あのときは暴れたり何なり、しかもこの世界が未来であると知らなかったせいもあって、よく周りを観察してはいなかった。

けれどこの辺は、あたしの知っている頃とあまり変わりない。
改めて観察した今、そんな風に感じて少しだけほっとする。

確かに現状を知りたかったとは言え、いきなり大きな変化を突き付けられるのをあたしはどこか恐れていたのだと、改めてそう気づかされ、そんな自分自身を、ただ自嘲した。