透明水彩


「……綺麗……、」

「ですよねー。任務帰り、あまりにも綺麗だったんで、美凪サンにも見せたいなって。それに、しばらく外にも出てなかったみたいですしー。
……たまには、気分転換も大切ですよー。」


広がる星空に見入るあたしの横で紡がれる、あたしを気遣う莱の言葉。

あたしに見せたかった、とか。
気分転換も大切だから、とか。

そんな風に言われて、ただ嬉しくて。
つい数分前、自分が何にイラついていたのか、どうして湊にあんなことを言い捨ててきたのか、もう、どうでもよくなった。


「ありがとう。」

「……いいえー。」


だから夜空から視線を莱へと移し、素直な気持ちで感謝を紡ぐ。
一瞬遅れた莱の返答は相変わらず素っ気ないものだったけれど、その代わりとでも言うように浮かんだあの優しい微笑みに、またドキッと一つ胸が鳴った。