透明水彩



◆◆◆


「そーいえば、見れば見るほどこの時代の美凪サンと変わりないですよねー。」


ある、昼下がり。
一緒に食事当番となった莱と昼食後の片付けをしている最中、何を思い出したのか、莱がぽつりとそう零した。


「……それって何。あたしが25になっても若いままだって言いたいの?それとも、もうすでに18とは思えない見た目だって言いたいの?」

「もち、後者ですけどー。」

「うっわ。最悪。」


洗い物の手を休めることなく即答された言葉に、あたしはこれみよがしにため息を吐く。
それを見た莱が、わざとらしい乾いた笑みを零しながら「冗談ですって。」と言ったのとほぼ同時に、ようやく片付けは終了した。


「今も昔も同じ美凪サンなんですから、変わりないのは当たり前じゃないですか。」

「いや、そーなんだけどさ。莱にそういうこと言われると、何かムカつく。」

「……それこそ酷くないですか?」


そんなくだらない会話を交わしながら、何気なく2人で大広間へと足を踏み入れる。他に誰もいなくなった大広間の中央にあるテーブルに莱と向き合うように腰掛け、小さく息を吐いた。