透明水彩


「うっわー。ちょ、芽梨…!」

「莱っ!久しぶりだね。あたし、莱に超会いたかった!」


相変わらず無表情のまま、恐らく内心は焦っているのであろう莱と、そんなことには構わず、莱に抱き着いたまま離れない少女。

いきなり美少女が登場した上、あたしはまるっきり蚊帳の外、そんな何とも言えない現状に言葉は詰まるけれど、何とか1番重大な疑問だけは紡ぎ出す。


「………誰?」


刹那、あたしの問いに一瞬だけ訪れた沈黙。
莱と少女の視線がほぼ同時にあたしを捉え、離さない。

居心地の悪さを隠すように苦笑を浮かべれば、莱が少女をムリヤリ離しながらゆっくりと口を開いた。


「……えーっと。彼女は、俺の1つ下の後輩です。まぁ、ROSAではまだ日が浅いんですけどー。」


莱の、後輩……?

ふと、自らの思案にふけるあたしに、今度は少女の方が口を開いた。