二人には、秘密の遊びがある。


もちろん、冬にしか出来ない遊びだよ。

もちろん、ママが買い物でお出かけをしている時だよ。
二人は、お留守番。

外にも遊びに行けなくてもリッツとピッツは、ニコニコ笑顔。


「よしっ!ピッツ。ママがお出かけしたよ。」

「よしっ!リッツ。ママがお出かけしたね。」

二人は、嬉しそうに言った。

リッツは、壊れたオモチャのハンドルと双眼鏡をオモチャ箱から出したよ。

何に使うのかな?

ピッツは、押し入れから懐中電灯を持ってきたよ。

何に使うのかな?


二人は、辺りをキョロキョロ見ると、


「それっ!乗り込め!」


こたつの中へ、潜り込んだ。

「ピッツ、火傷したらいけないから、こたつの電気はちゃんと消してね。」

「わかってるよ。」
ピッツは、こたつの電気を消した。

真っ暗だ!

でも、大丈夫。ピッツは、カチッと懐中電灯をつけた。

「ピッツ船長、宇宙船の発進の準備をお願いするぞ!」

「わかりました!リッツ船長。」

こたつは、二人にとっては、宇宙船。二人は、仲良しだから二人とも船長さん。

ピッツ船長は、こたつの温度を調節するレバーを回した。
でも、大丈夫。電気は、消してあるから熱くないよ。

「リッツ船長、発進の準備が出来ました。」

「よしっ!はっし〜ん!」
二人は、声を揃えた。

リッツ船長は、オモチャのハンドルをくるくる回した。
ピッツ船長は、双眼鏡で宇宙人がいないか見張っているよ。

「あっ!リッツ船長大変だ!敵の宇宙船がやってくるぞ。」

ピッツ船長は、覗いた双眼鏡で宇宙人の乗っている宇宙船を見つけた。

リッツ船長は、慌ててハンドルをくるくる回した。

「ピッツ船長、敵をやっつけるぞ!」

「うん、やっつけるぞ!」

「ダッダッダッダッダ!」二人は、声を揃えた。

ピッツ船長は、双眼鏡で覗いた。

「リッツ船長、敵の宇宙船をやっつけたよ。」

「よしっ!よくやった。ピッツ船長、これで宇宙は守られた。しかし、ピッツ船長、お腹がすいたな。」

グ〜。
リッツ船長のお腹が鳴った。

グ〜。
ピッツ船長のお腹も鳴った。