大和屋に着くと、既にたくさんの野次馬がおり、私達は人を掻き分け、最前列に出た。 大和屋に放たれた火の勢いは激しく、黒煙が上がっていた。 「何やってんだ、芹沢さん!!」 土方さんが芹沢さんを怒鳴り散らすが、当の本人は鉄扇で扇ぎながら、平然と立ち上る黒煙を見ていた。 「大和屋は外国と関わりを持っている。だから、京の治安を守る我らが粛正したまでだ。火は消すな、局長命令だ」