山南さんが亡くなってから、しばらくして、新選組は屯所をを西本願寺に移した。 「つ、疲れる…」 西本願寺はとても広く、掃除をするのにも八木邸の倍の時間はかかる。 廊下の雑巾掛けは何往復もするから、一苦労だ。 そして、私は今、その雑巾掛けにおわれていた。 今はちょうど、沖田さんの部屋の前の廊下を掃除している。 「げほっ、げほっ」 部屋の中から、沖田さんの咳込む声がする。 私は雑巾掛けを止め、沖田さんの部屋の障子を開けた。 視線の先には、苦しそうに咳をしている沖田さんがいた。