それに須山は法律業務で忙しい傍ら、原稿用紙に二十枚ぐらいの短編などを書き綴って、ネット上の投稿サイトなどに載せているらしい。


 一度閉ざしてしまった道をまた歩くのもいいかなと思っていたようだ。


 弁護士をやりながら小説を書くのも悪くはないだろう。


 執着心はあるようだった。


 単に今、弁護士の方の仕事ばかりをしているというだけで。


 弁護士を引退すれば、余生で書くとも言っている。


 やはり志が高い人間は違う。


 せっかく東都大や啓徳大などを出ていても、人生を棒に振る人間は山ほどいるのだし。


 僕も自分に言い聞かせていた。


 いつかは須山みたいな弁護のプロになって、その畑で頑張ってみせると。