僕の所属している事務所は新宿ロイヤルローオフィスというところで、東都大出身者が圧倒して多い。


 実際、最高学府(さいこうがくふ)を出た人間で固めているというだけあって優秀な弁護士が揃っている。


 須山も高階も東都大だし、僕も江美もそうだったから、皆国立大の気風(きっぷ)が分かっていたし、法律に関しても私大出身者より詳しい。


 確かに啓徳大も日本の私大では最高なので、入学試験はかなりの難しく、偏差値も高かった。


 だけど入試科目数が少ないので、専門以外は全く知らない人間も多数いる。


 私大の弊害はそこにあった。


 一芸に秀でるのはいいが、常識レベルの物事を知らない学生も大勢いて、おまけに私大離れの傾向があったので、大学自体経営が苦しいらしい。


 でも東都大と啓徳大の出身者は法律のフィールドに乗ればそう大差なかった。


 単に大学受験の試験勉強でどういったことをしてきたか、だけで。


 つまり学歴もいったん社会に出れば、ご破算となるのである。


 特に弁護士や検事、裁判官など法曹関係者と呼ばれる人たちは、どこ大出身だろうがそ