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「もう春ね」


「ああ。曇ったり、雨降ったりしてるけど、温度が高いからな」


「敬一もずっとお仕事頑張ってきたからね。そろそろここら辺りで休んでもいいんじゃない?」


「そうだな。俺もそう思ってた。……旅行の計画は立ってるんだろ?」


「ええ」


 三月上旬のとある日の昼休み中に、僕の個室に江美が来ていたので、コーヒーを飲みながら話をしていた。


 今回は離島に行く計画が持ち上がっていて、何かしら楽しみである。


 赤道から少し南側に位置するところに、常夏の島、ファンガルー島がある。


 海が綺麗で、反対側の山の方には野生の木々が生い茂っている南国だ。


 すでに江美が旅行の手配をしているようだった。


 僕もずっと業務が続き、疲れている。