てるけど、警視庁内の取調室は関係者以外一切出入りしてないし、完全に密室だった。なぜ可視化しなかったのかしら?普通刑事事件なら、そういったことは極当たり前なのに」
「俺もそう思う。それに事件に関してあの四百ページ以上ある膨大な調書を読み込んでて、矛盾感じてたんだ。木崎さんのケータイに掛かってきたのは彼女の知らない番号で、声もボイスチェンジャーで変換されてたって事実に変わりはないからね。多分、木崎さんは誰かに嵌められたんだろうね」
「つまり犯人は別にいるってことでしょ?新宿のラブホテルの一室で、被疑者は誰かに呼び出されて、部屋に着たときはすでにベッドの上に死体があった。しかも男性の」
「ああ」
「恐ろしいわね。……同姓として思うんだけど、普通呼び出された場所に死体があって110番通報したんなら、濡れ衣は着せられないわよ」
「そうだよ。だから遺体の第一発見者として不当逮捕されて、取調室内で乱暴な刑事たちに自白を強要されたんだ。『吐けば楽になるぞ』とか言ってね」
「警察はなぜ木崎さんの心中に気付かないんだろう?殺人罪で起訴となると、相当な量の証拠取らないと、法廷でおかしなことになるしね」
「確か、検察側は能島(のじま)検事が出廷する予定だって聞いた。あの女検事は相当なやり手だからな。特に刑事事件に関しては、だけど」
「俺もそう思う。それに事件に関してあの四百ページ以上ある膨大な調書を読み込んでて、矛盾感じてたんだ。木崎さんのケータイに掛かってきたのは彼女の知らない番号で、声もボイスチェンジャーで変換されてたって事実に変わりはないからね。多分、木崎さんは誰かに嵌められたんだろうね」
「つまり犯人は別にいるってことでしょ?新宿のラブホテルの一室で、被疑者は誰かに呼び出されて、部屋に着たときはすでにベッドの上に死体があった。しかも男性の」
「ああ」
「恐ろしいわね。……同姓として思うんだけど、普通呼び出された場所に死体があって110番通報したんなら、濡れ衣は着せられないわよ」
「そうだよ。だから遺体の第一発見者として不当逮捕されて、取調室内で乱暴な刑事たちに自白を強要されたんだ。『吐けば楽になるぞ』とか言ってね」
「警察はなぜ木崎さんの心中に気付かないんだろう?殺人罪で起訴となると、相当な量の証拠取らないと、法廷でおかしなことになるしね」
「確か、検察側は能島(のじま)検事が出廷する予定だって聞いた。あの女検事は相当なやり手だからな。特に刑事事件に関しては、だけど」


