彼女はお嬢様育ちで、金に困った経験をしたことがないし、僕とは微妙にタイプが違う。


 お互いタイプが違う者同士が恋愛して結婚までするのもいいかもしれないとは思う。


 ふっと事務所で働きながら、そんなことを考えていた。


 単純に考えれば、江美と一緒になるのがベストだ。


 もちろん互いに独身者同士で、している仕事が似ている分、反発し合うことがあったにしても。


 まるで恋愛ドラマのように人生が進んでいくのが分かる。


 彼女とは日弁連の会合や、法曹関係者間のパーティーの席上で一緒になることがあったし、何度も夜を共にしていた。


 互いのいろんな面を一番知っている関係だ。


 理想的と言えばそうかもしれない。


 江美の実家は裕福で、彼女も六本木にある1LDKのマンションに住んでいる。


 一人暮らしは大変なのだった。


 何から何まで自分でしないといけないからだ。