「なんでよ。そこはその優れた男鬼に頭領になってもらえば良いじゃない」 「前頭領を慕っていた貴族は多いため、娘の琥珀様に次いでほしいと思っている方もいるのです」 それにっと、付け足し、近江は話を続ける 「琥珀様は百鬼家のものです。琥珀様にもなる権利はありますから」 琥珀は不安の気持ちを隠せなかった 私には無理だよ お父様がどんなに慕われていたとしても、私には頭領になれない 人間として生きてきたのに、鬼の頭領なんて務まるはずがない