「トモミちゃん!」

「トモミ!いいかげんにしなさい!」

親父とお袋がねーちゃんの部屋のドアを何度も何度もノックしたけれど、ねーちゃんはその日一歩も部屋から出なかった。

そりゃそーだ。

長いこと不倫を続けていた親父とお袋が、ねーちゃんの母親を追い出し、再婚したのだと言う話を理解するのに、そんなに時間はかからなかった。