ONESTAR

「そっか、じゃ、デートじゃない時だけ、手伝いに来てもらおうかな?」

「いいですよ。店長さんのこと、彼にも話してるんです。夜のバイトって危ないとこ、多いから。ここなら安心だって言ってくれてるんです。あの、明日、電話しますね?じゃ。」

「うん。気をつけて。」

ねーちゃんは右手でバイバイをして、くるりと踵を返し、もう一度俺の腕を取った。

ラブラブカップルを装うために。

ドキドキしてるねーちゃんの心臓に呼応するように、俺の心臓もドキドキしてる。

そのまま二人でまっすぐ歩き、角を曲がったところでねーちゃんは、するりと俺の腕をはずした。