ONESTAR

ねーちゃんの胸のドキドキが二の腕から伝わってくるようなのに、ねーちゃんは平然と言ってのけた。

「ナツキさんが帰って来るまでお手伝いしますよ。今日はたまたまお休みだけど、彼はまだカラオケ屋のバイト続けてるんで、平日の夜はデートできないんです。」

ササキは、ねーちゃんじゃなくて、俺を見た。

温和な笑みを浮かべ、それでもまっすぐに、切れ長の目で。

「いいのか?」と言う意味なんだろう。

俺は、ねーちゃんが一生懸命ついたウソすら見抜かれそうで、

頷くのがやっとだった。