ONESTAR

「ヨシアキ?」

腕を組んだまま俺を見上げるねーちゃんの笑みに応えて笑おうとして出来なかった。

ウソの笑顔なんて、これまでいくらだってやって来たはずなのに。

俺は、本番に弱いタイプだ。

「じゃ、映画の時間があるんで、行きますね。」

「ああ、ごめんね。今日はせっかく来てくれたのに。」

店長さんが申し訳なさそうな笑顔をつくる。

「いいんです。でも、あの店長さん。」

「ん?」

ここからが正念場だ。