そりゃー、ナイスキャスティングだろう。

弟なんて一番後腐れないじゃんか。

ねーちゃんは、「ただ、笑っていてくれればいいいから。」とだけ言って、俺をそのイタリア料理店に連れて行った。

道中ブツブツつぶやいていたのは、店長さんに会ったら、言うべきセリフなのだろう。

思いつめた顔で、ずんずん歩いていくねーちゃんの後姿は、泣きたくなるほど一途で、俺は背中から抱きしめたくなるのを必死になって堪えてた。