「こんなに泣き虫なのに、ホントにファンクラブなんてあるの?」

俺の涙をハンカチで拭きながらねーちゃんが笑う。

「……ホントだよ。」

「じゃあ、ライブでは鼻水たらして泣いちゃダメよ。ファンクラブ解散の危機よ。」

「……大丈夫だよ、ねーちゃんだけを見て歌うから。」

「あたしを?」

「ライブの最初っから最後までずーっとねーちゃんだけを見て歌うよ。そんで、ラストのバラード歌い終わったら愛してるって言うんだ。」

「壮大な計画だけど、お父さんとお母さんも一緒なのよ?」

「あと店長とナツキも来るよ。」