歯を磨き、シャワーを浴びるとやっと目が覚めた。

キッチンのテーブルには、俺用の朝食が乗っかってたけど、
素無視で冷蔵庫を開け、オレンジジュースのパックを取り出し、
コップに移しもせずに飲み干した。

干からびた身体が生き返るようだった。

「はー。」

紙パックをゴミ箱に捨てようとして、おふくろが最近ゴミの処理にうるさいことを思い出した。

仕方なくお袋が洗い物をしてるシンクに放り込み、着替えて学校に向かう。

マンションのエントランスを出た途端に、

「ヤマザキ先輩だあ。」
「キャー、カッコいい~。」

と甘ったるい声が聞こえた。

家にまで来て出待ちかよ。

俺の顔って、カッコいいらしい、と気づいたのはいつだっただろう。