「店で一番いいテーブルを買ったんだ。」

あの日、親父はそう言って、つやつやと飴色に光るおおきなダイニングテーブルを自慢した。

「トモミは……その……まだ納得出来ないらしくて……思春期だしな……もう少しその……我慢してくれたら……トモミもわかってくれると思うんだ。」

「……いいのよ。」

俺には聞こえないくらいの小さな声で交わされる会話。

納得できない。

思春期。

小学5年生の俺には耳慣れない言葉が続いた。

「まだ16歳ですもの……気持ちの整理がつかないのは当たり前よ。私、覚悟して来たの。」