ONESTAR

「大変ね、お父さん。旅行だったのに、お葬式で帰って来たんでしょ?」

ねーちゃんは、

ねーちゃんのカバンを持ったまま立ち尽くす俺の横を素通りし、

まるで当然のように、今まで一度も座った事がない、

ダイニングテーブルの自分の席に着いた。

「お、おお。取引先の人でな。旅行中ですってちょっと渋ってみたんだけど、担当の父さんが行かないと話しにならないって言われて……」

「サラリーマンねえ。」

くすくすとねーちゃんが笑う。

「ハハハ。どうした母さん、サラダ分けて。」

「は、はい!」

親父に肘でつつかれ、固まってたおふくろが、ようやく4つ並べた皿にサラダを取り分ける。

「ヨシアキも来なさいよ。何やってんの?」

ねーちゃんが半身こっちに向けて俺を呼ぶ。

何やってんのって、あんたを逃がす作戦を実行中ですけど。