ONESTAR

有り得ない。

あたしは、そう思った。

この時間は、あたしがお風呂に入るから、誰も部屋から出ないってのは、暗黙のルールなのに。

よく見ると、あたしの弟だと言う11歳の少年は、洗濯機で何かを洗ってたみたいだった。

泡だらけの洗濯物を広げて見てる。

「あたし、お風呂に入りたいんだけど。」

あたしの登場に少年は心底驚いたみたいだった。

手にしてた洗濯物を慌てて隠そうとして取り落とし、床をびしょびしょにしてしまう。

あーあーもう。

「ねえ、洗濯ならあんたのママにやってもらったら?」

手近にあったタオルで床を拭いてた少年の洗濯物を拾ってやり、洗濯機に入れようとして気づく。