「え?」

「キスさせてくれたら、すぐ治るから。」

「はあ?騙したわね。」

「心臓を自在に操れるほど器用じゃないよ。」

「そうね、すっごい、ドキドキしてるよ。」

ねーちゃんは、俺に掴まれたままの手を、左胸にあてなおす。

「してるよ。」

「ホントに?」

「ホントに。」

「どうして?」

「どうしてってこれからねーちゃんとキスしようとしてるからに決まってんじゃん。」

「うそ。」