「良かったああああああああ。」

俺の身体を一通り叩き終わると、ねーちゃんは俺を見上げ、安堵の笑顔を見せた瞬間、

そのままふいとアスファルトの上に倒れこんだ。

「トモミちゃん!!」

誰かが、

ねーちゃんの名前を叫んで走って来る。

な……に……?

俺は、ねーちゃんに手を触れることも出来ずに、倒れこんだねーちゃんの長い髪が、

スローモーションのようにふわりとその背中にかかるのを見てた。

「トモちゃん、大丈夫?!」

ナツキと店長がねーちゃんに駆け寄り、揺さぶる。

ねーちゃんは、ぴくりとも動かない。

一瞬にして世界が、色を失う。