ONESTAR

「で、高校生になって、もう腐って死んでくだけかと思ってたら、

なんかすっげー遺産を相続させられそうになった事だろ。」

「遺産?」

自分の不幸を指折り数えるナツキに聞く。

「そう、俺、こないだまで行方不明やってただろ?

あれ、そのせいなんだよね。なんかじーさんがすっげー金持ちだったみたいで。

そんならとっとと見つけてくれってんだよなー。

ま、んなもんいらないから、相続放棄したんだ。あ、これは努力した。」

「なんか悲惨そうだね、あんたの過去。」

「だろ?じどーぎゃくたいってのもあったんだぜ。」