ONESTAR

「いいって言ってんだろ!母親面すんじゃねーよ!」

キッチンのドアの前に立ち塞がったおふくろを力ずくでどけ、ドアを開ける。

「だったらあたしは何よ!」

俺の背に、おふくろが長いこと言いたくて言えなかった科白をぶつける。

「だったらあたしは何なの!確かにあたしはトモミちゃんのお母さんじゃないわ!だけどあたしは、あんたの母親よ!」

「……そうだよ。あんたが女手一つで俺を育ててくれてた時は、確かに俺の母親だったさ……。」

振り向くと、瞳いっぱいに涙を溜めたおふくろが、俺を睨みつけていた。

「だけど、今は違う。」