ONESTAR

俺は、単純におふくろが手づくりでおやつを作ってくれてると言う事が死ぬほど嬉しかった。

いつもいつも忙しそうで疲れきっていたおふくろが、楽しそうにお菓子を作ってくれるのが俺は、嬉しくてしょうがなかった。

それは、俺のためでもなんでもなく、新しく自分の子供になるはずのねーちゃんのためだったのだけれど。

だけど、ねーちゃんは、一度だっておふくろとキッチンに立つことはなかった。

あんなに練習したのに。