「そーっすか?ねーちゃんが無理やり俺を中学に連れて行ってくんなかったら、俺、小卒でしたよ。」

「トモミちゃんが?」

「ええ、毎日送り迎えしてくれてたんです。」

「そう……複雑な家庭だってことはトモミちゃんから聞いてたんだけど……」

ねーちゃんがどこまで話したかは知らないが、ねーちゃんが家のことをしゃべってるなんて驚きだった。

ねーちゃんは、家の事情を友達にすら話してなかったからだ。

そんくらいねーちゃんは、自分の弱みを他人に見せるのが大嫌いなのだ。

なのに。

ねーちゃんは、この男になら真実を話すのか?

この男になら、

自分の弱い部分も見せられるのか?


俺には、絶対に見せない、のに?