走り去るねーちゃんの後姿が小さくなるに連れて、

腕の中のぬくもりが消えて行き、

気が狂いそうになって、

その場にしゃがみこみ、自分で自分を抱きかかえた。


ねーちゃんは、もう俺には会わないつもりだ。

ねーちゃんがあんなに感情を見せたのは初めてだった。

……ダメだ、手が震える。

ねーちゃんともう会えないかも知れないと言う恐怖が、
俺を侵食し始める。


ねーちゃん、憎んでていいから
俺を必要として、
二度と会わないなんて
言わないで。


どんなに、
憎んでてもいいから。