ONESTAR

「……どうしようもなかったわ。16歳なんてまるで子供で何の力もなかった。あたし、お母さんが出て行くのを止めることも、お父さんの再婚を止めることも出来なかった。」

「だけど、俺は救えたじゃないか。」

「あんたは……あたしを美化しすぎている。」

「ねーちゃんは、世界一いい女だよ。」

「やめて!」

不意にねーちゃんは、俺の手を振り払い、振り向き様に俺を睨みつけた。

その瞳の海に溜まる涙は今にも溢れ出しそうなのに。