ONESTAR

「……知ってるわよ……。」

俺に背を向けたままのねーちゃんの声が震えている。

そう、俺が16になったところで俺達の5歳差は変わらない。

ねーちゃんはいつまで経っても5歳年上なままだ。

だけど。

「俺、ちょっとは頼れる男になったと思うよ。」

「今、あたしと手を繋いでないと歩けないのに?」

「俺、知ってるよ。俺の手を引いて学校に行くねーちゃんが泣いてた事。」