「あたしが居ないとは思わないだろうから。」

床のクッションに座り、膝の上に置いた学生カバンの蓋を開けたり閉めたりしながら、イチムラは呟いた。

ウソはあんなに平気で言うくせに、どうして本心を言うイチムラは、小さく震えてるんだろう。

「おまえがいないとなると、リホコのヤツ、リュージんとこ電話かけんぞ。」

「だろうね。」

「おまえ、何がしたいわけ?」