トラックが横転した道は、わりと交通量の多い場所で、多くの死傷者がでた。 そんな中、目立った外傷もなかったあたしは、奇跡に近いと医者たちは口々にいった。 その時にはすでにあたしの頭の中の騒音が鳴り始めていたのに。 あたしの変化に真っ先に気付いたのは弟だった。 「姉貴、最近忘れぽくね?」