その日、雪が降っていて私はいつもよりはやくに家をでた。 セーラー服の上にフード付きのコートを羽織って私は自転車にのり、中学校に向かっていた。 いつもの通学路にはうっすらと雪が積もっていて、なんだかいつもと風景が違ってみえた。 本当に一瞬だった。 突然体が衝撃に襲われて、私は自転車ごと宙をまった。 灰色と白のコントラストの空が私の目を焼き尽した。 そして強い衝撃。 私が【あたし】になった瞬間。