「どうする……?」
催促する颯に、やっと気づく。
颯は言われたんだ、きっと。
本当の、産みの親に“会いたい”って。
それも、多分……今のお母さんとお父さんから言われたんだと思う。
そう考えれば、全て辻褄が合う。
颯のこのおかしな質問も、お母さんとお父さんに颯が怒鳴っていたことも。
だったらあたしは、この質問にちゃんと答えを出さなきゃいけない。
“捨てられた”――そんな立場に立っているあたしだから、きちんと答えないといけないんだ。
「颯の思った通りにしたらいいんじゃない?」
これがきっと、最善の答え。
この質問に正解はないから。
だからきっと、これが最善。



